09御柱祭へ向けて。

僕が御柱祭に関わったのは早朝の抽選祈願からだった。凍てつく真っ暗な本宮の境内を、法被姿の男たちがぞろぞろと埋め尽くし行く。その光景はこれまで感じたことない独特な雰囲気だ。祈願が終わる頃には体がすっかり冷え切っていて、ちょうど照らし始めた日の光は、暖かく輝いて見えた。
そこから始まった御柱祭の準備は驚きの連続だった。祭りに使う綱や針孔梃子などほとんどのもを昔から継承されてきたやり方で手作りし、厳しい練習と、直会の連続。そこには地区同士、係りごとの人間模様がピリピリとひしめき合っていた。
それが祭の前日まで一瞬も緩むことなく張り詰め続け、男たちの表情はより厳しくたくましさを増していった。

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