10月9日、僕が暮らす信濃境区の御柱祭(小宮祭)の当日を迎えた。
その日は朝からあいにくの雨。しかも準備を進めるうちに次第に雨足が強まっていく。曳行が始まる頃はすっかり土砂降りに…。結局、みんな合羽姿で祭りに挑むことになった。
小宮祭の最初の主役は子どもたち。信濃境駅までの上り坂を針孔梃子(めどでこ:御柱の前後にV字に刺さる柱)に幼稚園児や小学生の子どもたちが中心になって乗る。この日のために夜な夜な集まり、針孔梃子に乗る練習をしてきたのだ。雨の中でも子どもたちは必死に綱に捕まりながらも、針孔梃子の上で楽しそうに歓声をあげている。
曳行を続けるうちに次第に雨足も弱まってきて、中継地点の信濃境駅に着く頃には青空が広がってきた。この日のために長い間準備を進めてきた男衆、踊りの練習を繰り返してきた女衆も次第に笑顔がこぼれてくる。
日が少し傾来始めた頃、老若男女たくさんの人たちがに見守られながら神社の境内に勇壮に御柱が建てられた。
移住者の僕にとってかれこれ一年に渡り、関わってきた御柱祭もこれで終わった。だけど、すでに次の六年後の御柱祭に向けて気持ちは少しずつ動き始めている。